私たちは日々、
仕事、言葉、付き合う人、使うお金、行動──
無数の「選択」をして生きているように感じています。
しかし冷静に見てみると、
本当に“選んでいる”場面は、驚くほど少ない。
多くの場合、人は
選択しているのではなく、無意識の範囲内で反応しているだけです。
たとえば、
• なぜかいつも同じタイプの人間関係でつまずく
• 同じような価格帯の商品しか「高い/安い」と感じられない
• 挑戦しようとすると、理由が先に浮かんでくる
これらは、意思決定の問題ではありません。
無意識が許可している範囲でしか、選択肢が見えていないのです。
無意識とは、
これまでの経験、失敗、成功、他人からの評価、
親や社会から刷り込まれた価値観の集合体です。
そして厄介なことに、
無意識は「自分の考え」として現れます。
だから人はこう言います。
「ちゃんと考えた結果です」
「自分なりに選びました」
「今の自分にはこれが妥当です」
けれどその“考え”の土台には、
すでに無意識が引いた境界線があります。
この境界線の内側でいくら考えても、
人生は大きくは変わりません。
行動が変わらない理由は、
勇気がないからでも、能力が足りないからでもない。
無意識が「それは選択肢にない」と判断しているだけです。
だから重要なのは、
無意識をコントロールしようとすることではありません。
無意識はコントロールできません。
できるのは、観察することだけです。
自分がどんな場面で、
どんな言葉を「自然に」使っているのか。
何を即座に否定し、何を疑わずに受け入れているのか。
そこに、その人の本質が現れています。
無意識は、
その人が「何者として生きてきたか」の履歴です。
そして、
無意識に気づいた瞬間から、
はじめて選択が生まれます。
気づく前は反応。
気づいた後に選択。
人生が動き出す境目は、
いつもここにあります。
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小さなワーク
最近、即答で「無理」「違う」「自分には合わない」と
心の中で判断した出来事を一つ思い出してください。
その判断は
・事実か
・過去の経験か
・無意識の反射か
どれでしょうか。
もし無意識の反射なら、
その判断の前に、こう付け加えてみてください。
「これは、今までの自分の反応だ」
それだけで、
次の選択肢が見え始めます。